松茸狩りで上機嫌、豊臣秀吉

ある秋の日のこと、秀吉は松茸狩りに出掛けたいと家臣に告げました。

そこで家臣たちが山に下見に行きますと、松茸は民衆に採りつくされてほとんど残っていませんでした。
肝心の松茸が無いのでは松茸狩りができません。

家臣たちは大急ぎで方々の村や山から松茸を買い集め、前の夜までに山に植えておきました。

松茸狩りの当日、秀吉は大勢の女性を連れて山へやってきました。そして、たくさん生えている松茸にとても喜び、上機嫌で獲り始めます。
しかしそれを見ていた女性たちは皆、怪訝な顔をしました。

「自然に生えている松茸と後から植えられた松茸では見た目が全く違うのに、殿様はお気づきにならないのかしら」

そして、それを一人の女性が秀吉に告げました。
すると秀吉は笑ってこう答えました。

「わしもそれは一目で分かったのだが、これだけの松茸を用意するのはさぞ大変なことだったろう。家臣たちの苦労を思えばこそ、黙って分からぬふりをしていたのだ」

それを聞いた女性たちはみな、秀吉の心遣いに感心したといいます。

秀吉の喜んだ顔を見て家臣もさぞ安心したことでしょう。
そして、秀吉の話を聞いた女性たちもほっこりしたことだと思います。
さすが秀吉といったところです。

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